2020年11月16日
南部式自動拳銃(大型)覚え書き
と言うか実は南部式自動拳銃に関してはかなり曖昧な認識しかなかった。
市販書籍やネット情報ではかなり曖昧な記述だったりするもんで。
日本語よりも英語で検索した方が良い情報が出てきたりする、
とりあえず覚え書きととしてここに記すのである。
なんか外人から「ちゃんとした本を買え」と言われたが日本語で売られてる殆どの本より洋書の方が上だと思う。
watashi nihongo shikoshidake dekimasu(他の言語が出来るとは言ってない)
まず当時物と思われる日本語の説明書でも割と曖昧な記述しかなく、
日本語の俗称としても英語からの逆輸入語の方が情報が多い。
・グランパナンブ

トリガーガードが小さい
ボルトのつまみがダルマ型
マガジンボトムが木製
ランヤードリンクが固定式
等々の特徴がある物
グランパナンブの全てがストック取り付け溝を有する訳ではない模様。
グランパの特徴とされる物の方が基本的に使い難いのでこちらの方が前期型であると思われます。
グランパ=南部甲型としている情報が多いが、どうも違う模様。
・パパナンブ

トリガーガードが少し大きい
ボルトのつまみが台形
マガジンボトムがアルミ製
ランヤードリンクが可動式
パパナンブとされる特徴を備える物でストックを装着している画像があり、
甲乙の違いはストックの有無だけであると思われます。
また当然のようにきれいに前期後期で分かれているのではなく段階的に移行したと思われます。
基本的にパパナンブとされる物の特徴の方が使いやすくなっているので後期型であると思われます。
当時物と思われる説明書では「南部式自働拳銃(改行して「大型」)」、ストック付きの写真に「甲号自働拳銃」と表記があった。
甲型乙型の表記は正式名なのか少々怪しくなってきた。
・陸式拳銃
南部式自動拳銃の海軍制式名称、陸軍名称は「海軍拳銃」の模様。
昔に某氏に「大正十三年制式」だと言いきられたが(今の日本語Wikipediaにもそう記述がある)、
海軍が採用したのは明治時代(洋書では42年らしい)の模様。
アジ歴に明治44年に東京砲兵工廠に海軍が陸力拳銃を発注した記録が残っている。
よって明治42年説を本項では支持する。
参考・「海軍注文兵器製作方の件」


(クリックすると少しだけ大きくなるョ!)
明治44年、陸式拳銃140と明記、試験ではなく実配備と思われます。
少なくとも明治時代にはすでに陸式拳銃を海軍が発注している事が確定。
・ベビーナンブ

これはそもそも寸法が異なるので誤認し辛い。
照門が固定式
ランヤードリンクが固定式
ボルトのつまみは台形
マガジンボトムは殆どがアルミ製だが少数木製の物が混在する
明確な製造開始年に関する記述は今回の調査では発見できなかったが、
大体パパナンブと似た特徴があるのでグランパよりも後の生産であると思われます。
世界一高価な量産拳銃として有名だが昭和7年のカタログによると
「南部式八粍(大型)」が95円に対して「南部式七粍(小型)」は80円であった、
なおM1910と思われるブローニングは40円、そりゃ輸入拳銃買いますわ。
本日の調査で得た情報からの仮説として・・・
南部式自動働拳銃の初期型がグランパナンブ(推定明治三十八年ごろ)
南部式自働拳銃の後期型がパパナンブ(推定明治四十年ごろ)
製造時期ではなくストック取り付け溝の有無で甲号と乙号(乙表記は実は未確認なのであくまでも仮説である)
”南部式七粍小型”(戦前物のカタログ名)こと南部式小型拳銃(ベビーナンブ)はパパナンブと同時期。
陸軍での内定名称が四一式拳銃(結果として不採用、試験のみと推定)
海軍での制式名称が陸式拳銃(推定明治四十二年採用)
陸式拳銃の陸軍名が海軍拳銃(あくまで海軍の物を指した名称か?仮説)
・試製甲号自動拳銃
先の「甲号自働拳銃」とは別物の試作型。
後の十四年式拳銃の試作型とされる事があるが、どうやらおそらく競合試作で
試製乙号が十四年式で試製甲号は敗退した物の模様。
ブローニングハイパワーに先駆けてダブルカラムマガジンを採用したハイキャパシティオート。
・試製乙号自動拳銃
こちらが十四年式のプロトタイプになった物らしい、明確な画像は未発見。
軍刀拳銃に改造された物の画像が存在する。
・試製軍刀拳銃
ゲテモノ兵器として有名だが、開発理由が良くわからない。
陸軍騎兵学校の発注とも南部さんの趣味で特許を取ったとも書いてある。
刀剣とのコンビネーション銃器は珍しくない(そもそも現代の銃にも銃剣が付く)が、
自動拳銃との組み合わせは世界的に見ても珍しい。
・十四年式拳銃(海軍名一四年式拳銃)


ここまでくれば「南部式」とは別物だと分かると思うが、大体「ナンブピストル」と海外では一緒にされてる。
大正十四年陸海軍制式でかなり異なる特徴がある。
南部十四年式と言うが南部さんは実は設計に関わってない模様。
大まかに前期後期に分類されるが、素直に切り替わった訳ではないので大まかに前期中期後期末期の四種類。
・九四式拳銃

南部銃器製作所製なので「ナンブピストル」で間違いないのだが形状も構造も全くの別物である。
と言うかそもそもどこの拳銃にも似ていない、奇妙な形状で初めてスライドを引いた時には驚いた。
昨日の撮影で久しぶりに引っ張り出して見たが、意外と持ちやすい形状でマニュアルセイフティレバーや
マガジンキャッチボタンが操作しやすい位置にある、だがそれ以前の問題が色々とある。
・戦後の拳銃

英語Wikipediaには「SIG/SAUER P220の採用までナンブピストルを使用した」と有るが、
自衛隊(警察予備隊)が旧軍のピストルを使用した例は発見できていない。
恐らくは編集した外人が警察官か海上保安官の画像を自衛官と誤認した物ではないだろうか?
また戦後のニューナンブシリーズ(M57、M57A、M57B、M57A1、M58(M60))は
戦前拳銃と形状・機構的に類似点は無く、自衛隊で採用したと言う情報も発見できない。
ニューナンブ拳銃は自衛隊では少数が実験部隊でテストされた程度であると思われます。
市販書籍やネット情報ではかなり曖昧な記述だったりするもんで。
日本語よりも英語で検索した方が良い情報が出てきたりする、
とりあえず覚え書きととしてここに記すのである。
なんか外人から「ちゃんとした本を買え」と言われたが日本語で売られてる殆どの本より洋書の方が上だと思う。
watashi nihongo shikoshidake dekimasu(他の言語が出来るとは言ってない)
まず当時物と思われる日本語の説明書でも割と曖昧な記述しかなく、
日本語の俗称としても英語からの逆輸入語の方が情報が多い。
・グランパナンブ

トリガーガードが小さい
ボルトのつまみがダルマ型
マガジンボトムが木製
ランヤードリンクが固定式
等々の特徴がある物
グランパナンブの全てがストック取り付け溝を有する訳ではない模様。
グランパの特徴とされる物の方が基本的に使い難いのでこちらの方が前期型であると思われます。
グランパ=南部甲型としている情報が多いが、どうも違う模様。
・パパナンブ

トリガーガードが少し大きい
ボルトのつまみが台形
マガジンボトムがアルミ製
ランヤードリンクが可動式
パパナンブとされる特徴を備える物でストックを装着している画像があり、
甲乙の違いはストックの有無だけであると思われます。
また当然のようにきれいに前期後期で分かれているのではなく段階的に移行したと思われます。
基本的にパパナンブとされる物の特徴の方が使いやすくなっているので後期型であると思われます。
当時物と思われる説明書では「南部式自働拳銃(改行して「大型」)」、ストック付きの写真に「甲号自働拳銃」と表記があった。
甲型乙型の表記は正式名なのか少々怪しくなってきた。
・陸式拳銃
南部式自動拳銃の海軍制式名称、陸軍名称は「海軍拳銃」の模様。
昔に某氏に「大正十三年制式」だと言いきられたが(今の日本語Wikipediaにもそう記述がある)、
海軍が採用したのは明治時代(洋書では42年らしい)の模様。
アジ歴に明治44年に東京砲兵工廠に海軍が陸力拳銃を発注した記録が残っている。
よって明治42年説を本項では支持する。
参考・「海軍注文兵器製作方の件」


(クリックすると少しだけ大きくなるョ!)
明治44年、陸式拳銃140と明記、試験ではなく実配備と思われます。
少なくとも明治時代にはすでに陸式拳銃を海軍が発注している事が確定。
・ベビーナンブ

これはそもそも寸法が異なるので誤認し辛い。
照門が固定式
ランヤードリンクが固定式
ボルトのつまみは台形
マガジンボトムは殆どがアルミ製だが少数木製の物が混在する
明確な製造開始年に関する記述は今回の調査では発見できなかったが、
大体パパナンブと似た特徴があるのでグランパよりも後の生産であると思われます。
世界一高価な量産拳銃として有名だが昭和7年のカタログによると
「南部式八粍(大型)」が95円に対して「南部式七粍(小型)」は80円であった、
なおM1910と思われるブローニングは40円、そりゃ輸入拳銃買いますわ。
本日の調査で得た情報からの仮説として・・・
南部式自動働拳銃の初期型がグランパナンブ(推定明治三十八年ごろ)
南部式自働拳銃の後期型がパパナンブ(推定明治四十年ごろ)
製造時期ではなくストック取り付け溝の有無で甲号と乙号(乙表記は実は未確認なのであくまでも仮説である)
”南部式七粍小型”(戦前物のカタログ名)こと南部式小型拳銃(ベビーナンブ)はパパナンブと同時期。
陸軍での内定名称が四一式拳銃(結果として不採用、試験のみと推定)
海軍での制式名称が陸式拳銃(推定明治四十二年採用)
陸式拳銃の陸軍名が海軍拳銃(あくまで海軍の物を指した名称か?仮説)
・試製甲号自動拳銃
先の「甲号自働拳銃」とは別物の試作型。
後の十四年式拳銃の試作型とされる事があるが、どうやらおそらく競合試作で
試製乙号が十四年式で試製甲号は敗退した物の模様。
ブローニングハイパワーに先駆けてダブルカラムマガジンを採用したハイキャパシティオート。
・試製乙号自動拳銃
こちらが十四年式のプロトタイプになった物らしい、明確な画像は未発見。
軍刀拳銃に改造された物の画像が存在する。
・試製軍刀拳銃
ゲテモノ兵器として有名だが、開発理由が良くわからない。
陸軍騎兵学校の発注とも南部さんの趣味で特許を取ったとも書いてある。
刀剣とのコンビネーション銃器は珍しくない(そもそも現代の銃にも銃剣が付く)が、
自動拳銃との組み合わせは世界的に見ても珍しい。
・十四年式拳銃(海軍名一四年式拳銃)


ここまでくれば「南部式」とは別物だと分かると思うが、大体「ナンブピストル」と海外では一緒にされてる。
大正十四年陸海軍制式でかなり異なる特徴がある。
南部十四年式と言うが南部さんは実は設計に関わってない模様。
大まかに前期後期に分類されるが、素直に切り替わった訳ではないので大まかに前期中期後期末期の四種類。
・九四式拳銃

南部銃器製作所製なので「ナンブピストル」で間違いないのだが形状も構造も全くの別物である。
と言うかそもそもどこの拳銃にも似ていない、奇妙な形状で初めてスライドを引いた時には驚いた。
昨日の撮影で久しぶりに引っ張り出して見たが、意外と持ちやすい形状でマニュアルセイフティレバーや
マガジンキャッチボタンが操作しやすい位置にある、だがそれ以前の問題が色々とある。
・戦後の拳銃

英語Wikipediaには「SIG/SAUER P220の採用までナンブピストルを使用した」と有るが、
自衛隊(警察予備隊)が旧軍のピストルを使用した例は発見できていない。
恐らくは編集した外人が警察官か海上保安官の画像を自衛官と誤認した物ではないだろうか?
また戦後のニューナンブシリーズ(M57、M57A、M57B、M57A1、M58(M60))は
戦前拳銃と形状・機構的に類似点は無く、自衛隊で採用したと言う情報も発見できない。
ニューナンブ拳銃は自衛隊では少数が実験部隊でテストされた程度であると思われます。
Posted by 猿野半長(転職したい) at 00:39│Comments(0)
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