2025年02月24日
お勉強の副産物(試製超軽機関銃審査の件)

https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F2006090102524950468&ID=M2006090102525450541&REFCODE=C01007114600
元々は機関短銃を調べていたのだが副産物として「試製超軽機関銃」の陸軍省による審査レポートが発見された。
受領年が昭和十三年である事が明記されている。
製造メーカーは日本特殊鋼株式会社、正式名が「試製超軽機関銃」である事が判明。
「軍用に適せず」「連発精度特に不良なり」などと言う評価である。
試製自動小銃丙号の四次試作品とされる物と基本的なデザインは似ており、後の米国M14や伊国BM59の
様なセレクティブファイア発展型である。
重たい防盾まで装備しているが、恐らくは重量で無理やり反動を抑えようとしたのではないだろうか?
銃身に冷却フィンが取り付けられているが、銃身加熱が問題視されておりクローズドボルト式で「残弾自爆
(コックオフの事)の危険性あり」と指摘されている。
現代的なアサルトラフル実包に通じる中間弾薬の研究は実はWW1頃から各国で始められており、
日本も「試製九五式実包」として6.5x30mm弾を研究していたが、検討されたのは試製二型機関短銃であり
此方の超軽機関銃では検討されなかった模様である。
組み合わされば銃器開発史を数十年早めていた・・・かも知れない。
とは言え想像しうる上限の性能に達したとしても和製M2カービンの様な物でありアサルトライフルには
なりきれない時代のあだ花かもしれない。
これは”大東亜戦争末期の秘密兵器”ではなく昭和十三年の試作品である事に留意したい。
微妙に関係ある過去記事
https://hennahanashi.militaryblog.jp/e913386.html
https://hennahanashi.militaryblog.jp/e913683.html
Posted by 猿野半長(転職したい) at 01:17│Comments(0)
│大日本帝国陸軍
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。